企業システムのクラウド移行・モダナイゼーションの波は、インフラエンジニアの転職市場を強く押し上げ続けています。JACリクルートメントの取扱求人ではインフラエンジニアの求人数が前年比177.8%と、IT職種の中でも際立った伸びを記録しました。クラウド関連スキルを持つ人材の求人も前年同月比120%超で増加しています。
一方で年収データを見ると、インフラエンジニアの平均は必ずしも高くありません。これは運用・監視といった比較的定型的な業務と、クラウドアーキテクチャ設計のような高付加価値業務が同じ職種名で括られているためです。この記事では、需要の実態と「どのレイヤーに立つかで年収が変わる」構造をデータで整理します。
需要動向:求人数は前年比177.8%、クラウド化が牽引
インフラ領域の採用需要は、クラウド移行プロジェクトの増加と、それを担える人材の慢性的な不足によって高止まりしています。特にAWS・Azure・Google Cloudの設計構築経験者は、SIer・事業会社・コンサルのすべてから求められる状態です。
IaC(Infrastructure as Code)やコンテナ、SREといったモダンな運用スキルを持つ人材はさらに希少で、従来型の運用保守からこれらのスキルへ「乗り換え」たエンジニアの市場価値が大きく伸びる構図が続いています。
インフラエンジニア求人数の前年比
177.8%
JACリクルートメント取扱求人
クラウド関連スキル求人の伸び
前年同月比120%超
IT人材全体の求人倍率は12.0倍(2023年12月時点)
年収相場:平均は400万円台、クラウド設計で1,000万円台へ
求人ボックスの給与データでは、クラウドエンジニアの平均年収は487万円。レバテックキャリアの掲載求人ベースではインフラエンジニアの平均は443万円(中央値450万円)です。数字だけ見ると控えめですが、注目すべきはレンジの上限です。クラウドエンジニアの給与幅は349万〜1,061万円と、上位層は平均の2倍以上に達します。
レンジ下位は夜勤シフトを含む運用・監視ポジション、上位はクラウドアーキテクト・SRE・セキュリティ設計を兼ねるポジションが中心です。同じ「インフラ」でも、手を動かすレイヤーを一段上げるだけで年収カーブが大きく変わる——この構造を理解してキャリアを設計することが、この職種では特に重要です。
クラウドエンジニア平均年収
487万円
給与レンジは349万〜1,061万円。ボリュームゾーンは438万〜527万円
インフラエンジニア平均年収
443万円(中央値450万円)
レバテックキャリア掲載求人ベース(2025年1月時点・サンプル数は少なめ)
将来性:2030年に約45万人のIT人材不足
経済産業省の試算では、2030年に中位シナリオで約45万人のIT人材が不足するとされています。クラウドを含むIT基盤を支える人材の需給逼迫は、単年の景気変動ではなく構造的なトレンドです。
オンプレミスからクラウドへの移行は道半ばの企業が多く、移行後もマルチクラウド運用・コスト最適化(FinOps)・セキュリティ強化と、インフラ人材の仕事は形を変えて増え続けます。運用経験しかないうちに「構築・設計に関われる環境」へ移っておくことが、この先10年の市場価値を大きく左右します。
IT人材の不足数予測(2030年)
約45万人
中位シナリオでの試算
この記事のまとめ
インフラ求人は前年比177.8%と急増中。特にクラウド設計・SRE・IaCのスキルを持つ人材は市場全体で取り合いになっている。
平均年収は400万円台だがレンジ上限は1,000万円超。運用監視から設計構築へレイヤーを上げるキャリア設計が年収を決める。
2030年に約45万人不足という構造的な需給ギャップが続く見通しで、クラウドスキルへの投資は中長期でも回収しやすい。
クラウド・インフラエンジニアの転職に強い相談先
当サイトはアフィリエイトプログラムを利用し、紹介する転職エージェントへの登録などにより報酬を得ることがあります。掲載している企業は編集部による参考例で、応募・選考を保証するものではなく、想定年収は公開データに基づく目安です。掲載順位や評価は当サイト独自の基準(求人の質・年収交渉力・サポート・対応スピード・求人数・専門領域の6軸)に基づいており、報酬の有無で評価を変えることはありません。